第Ⅰ部 ハーバーマスとホネット
序 言
第一章 ハーバーマスのコミュニケーション的行為の理論
1 意識哲学のパラダイムと実証主義批判
2 生活世界
3 眼差しの転換
第二章 ホネットの承認論
1 批判的社会理論
2 ホネットにおける人間的生に対する眼差しの拡大
3 三つの承認形式
4 ハイデガーのフッサールに対する批判
5 承認要求に対する承認の振る舞いの優位の傾向
6 いくつかの承認形式
7 人間的生への遡及と承認とその否認と承認を求めての闘争を人間的生のうちに位置づけること
第三章 人間的生
1 眼差しの変換、人間的生
2 承認概念の一つの拡大
3 人間的生(生命-生活)と人間的生を織りなすいくつかの関係軸
4 内在的超越
5 自然史の議論文脈への侵入
6 補論 人間理性
7 偉大な諸宗教は理性そのものの歴史に属する
第Ⅱ部 内在的超越とその解体
第四章 内在的超越(1)
1 内在的超越の二つの形態
2 内在的超越としての批判理論
3 言語と内在的超越(1)
4 言語と内在的超越(2)
5 哲学と社会科学の可能性
6 アーペルの超越論的言語ゲーム
第五章 内在的超越(2) 抽象と具体/普遍と特殊
1 抽象と具体/普遍と特殊・個
2 内在的超越
3 人と人を結びつける「力」
4 内在的超越の解体(1)
5 内在的超越の解体(2)
6 物象化(Versachlichung)
7 内在的超越の解体と人間の動物化
8 センとヌスバウムの議論
第六章 近代の過程
1 普遍の支配から抽象の支配への転換
2 「石斧から水爆」に至る普遍史――アドルノ
3 近代における生活世界の変容
4 公共圏
5 市民的法治国家と公共圏
6 普遍の支配から抽象の支配への転換と生活世界の変容
7 帝国主義 アーレント
第Ⅲ部 民主的法治国家と公共圏
第七章 ハーバーマスの『事実性と妥当性』
1 本章の課題
2 解釈・討議共同体
3 討議空間
4 権利の体系の論理的生成と法治国家の構築
5 民主主義原理
6 ある種の閉鎖空間?
7 人間的生と民主的法治国家
8 自律性と安全性の二律背反
9 外的緊張と国家構想を巡る抗争
10 新自由主義国家および国家の自立化への方向と民主的法治国家への方向の抗争
11 民主的法治国家と人間的生
12 非公式の権力循環
第八章 公共圏と内在的超越――住民的・市民的・世界民衆的公共圏
1 人間的生のパースペクティヴから公共圏を捉える
2 公共圏の自己止揚・人民的公共圏
3 メディアの自己批判的自己止揚の可能性――『公共性の構造転換』における新聞の変遷の議論
4 ハーバーマス『事実性と妥当性』における公共圏論
5 人間的生とその根本要求から己を了解した公共圏
6 物象化と人間的生
7 生活の現場に生い立つ公共圏
8 世界公共圏(ないし世界民衆的公共圏)
第九章 自然の人間的歴史と人間の自然史の抗争
1 アドルノの自然史の構想の再定式化ないし改作
2 アドルノの自然概念
3 アドルノの自然史の構想
4 自然史の止揚という構想
5 アドルノのカント読解の解体作業とアドルノの自然史の構想の書き換え
6 マルクスの自然史概念
7 自然の人間的歴史と人間の自然史の抗争・絡み合いという構想
8 文明と自然との和解
あ と が き