カントどアドルノ――自然の人間的歴史と人間の自然史

横田榮一 著

定価(本体3800円+税)
ISBN978-4-87262-029-0

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序  章

1. 自然の人間的歴史と人間の自然史
2. 人間の自然史
3. アドルノのカント読解と本書の試み
4.『啓蒙の弁証法』とは別の構図
5.  K・エーダーの「自然の人間的歴史」
6.「現代はアドルノを前にして何を意味するか」という問い

 

第1章 アドルノのカント解釈

1. 意志のモナド的構造
2. 主観・客観図式
3. 衝動
4. 英知的なもの、そしてオデュッセウス
5. カントの二分法的調停
6. 経験的なものと自然的なものの同一視と絶対的分離
7. 自由の強制的性格
8. 社会・歴史的観点
9. 体系のほころび
10. システム社会

 

第2章 システム社会の生成

1. ホルクハイマーの議論
2. システム社会の生成 日本の場合
3. システム社会とアドルノの思考

 

第3章 カントの実践哲学

1. 理性は自分の実在性を己の行為によって証明する
2. 意志と行為圏
3. 理論理性から実践理性への移行
4. 人格の相互承認の圏
5. 目的の国
6. 英知界と感性界の綜合
7. 人間理性にとって解決不能な問い

 

第4章 アドルノのカント読解再論

1. 主観・客観図式
2. 衝動
3. 英知的性格
4. カントの二分法的調停 むしろ近代における価値領域の差異化
5. 体系のほころび
6. 実践理性と伝統の墨守
7. 自由の強制的性格
8. まとめ

 

第5章 自然・経験・社会・歴史

1. 二つの意味での自然史
2. カントにおける自然
3. 自然に対する内在的超越としての人間及びその社会
4. 経験と自然
5. カントにおける理性の歴史としての人間の歴史

 

第6章 目的論的枠組みとその抜き去り

1. 感性的なものと超感性的なものの綜合
2. 反省的判断力が含むアプリオリな原理
3. 目的
4. 自然と道徳との統一としての最高善
5. すべては自然であるか
6. 意図的な作用原因
7. 目的論的思考枠組みの除去
8. 二つの意味での自然史再論
9. コスモポリタン的歴史と自然の狡知

 

第7章 自然の人間的歴史と人間の自然史

1. カント 不吉な前兆とその現実化・自然の狡知
2. 意識哲学の成果
3. 『否定弁証法』における自然史と全体性
4. アドルノの「自然史」概念の時代的背景
5. 自然史の新たな展開
6. ハーバーマスの論文「カール・レーヴィット 歴史意識からのストア的退却」
7. 自然の人間的歴史と人間の自然史

 

あとがき